迷彩柄のアーミー服の、坊主頭の若者をよく見かける。
彼らは、ナショナルサービスと呼ばれる兵役についているのだ。
(さすがに、オーチャードや観光地では、見かけないが )
シンガポールには、2年間の兵役が、
18歳以上の、シンガポール国籍と、永住権を持つ男子に課せられる。
若いうちに済ませたほうが、楽なので、
彼らの多くは、学校を卒業し、就職する前に、入隊する。
一週間に何日かは、自宅に戻ってくる。(BOOK-OUTと言うそう)
一週間分の洗濯物を持って。
母親は、無事に戻ってきた息子の軍服を急いで洗い、
次の招集(BOOK-INというそう)に間に合わせる。
(翌日 、BOOK-INのこともある。)
隊へのの行き帰りは、アーミー服なので、よく見かけるのである。
2年間の最初の数ヶ月は、BASIC TRAINING と言って、 戦闘に耐える体づくりと
実戦想定の訓練、だという。
BASIC TRAINING後は、それぞれ、陸軍、警察、消防等に分かれて、
訓練が続く。
陸軍でも、オフィサーかサージェントかで、訓練が違うそうだ。
また、成績によっては、2年間が2ヶ月短くなる。
学校を卒業したばかりの、十代にとって、
兵役は、辛い。
逃れるために、海を泳いで
(訓練施設は、テコン島にある)
帰ろうとした猛者がいたそうだ。
また、自殺者もでる。
今年も、2月に入隊したなか、1週間で、自殺未遂があったそうだ。
それでも、なんとか乗り切りBASIC TRAINING終了の時には、
ストレイト タイムズ紙より 2007年 |
ストレイトタイムズ紙より 2012年 |
こんな光景を見せる。
自分の国を、誰が、どのように、守るのか、
はっきり示している国の、若者は、幸せだ。
全ての男子のうち、体を動かす事が嫌いなものや、
集団生活が苦手なものや、
戦うことじたい想定したくないものは、半分近くいるかもしれない。
訓練の毎日は、訓練とはいえ、
戦わないための戦場で、戦っているのと同じだろう。
そうでなければ、訓練するものも、されるものも、
動機が保てない。
彼らは、シンガポールを守るのは、
自分たちだ、と思っているに違いない。
日本は、軍隊を持たないと決めた。
日本を守るのは、誰なんだろう。
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