おもに、シンガポールでの生活を綴ります。

2012年3月24日土曜日

NATIONAL SERVICE(ナショナルサービス 兵役) @シンガポール


シンガポールでは、MRTの中、バス停、ショッピングモール等で、

迷彩柄のアーミー服の、坊主頭の若者をよく見かける。

彼らは、ナショナルサービスと呼ばれる兵役についているのだ。
(さすがに、オーチャードや観光地では、見かけないが )

シンガポールには、2年間の兵役が、
18歳以上の、シンガポール国籍と、永住権を持つ男子に課せられる。

若いうちに済ませたほうが、楽なので、
彼らの多くは、学校を卒業し、就職する前に、入隊する。

一週間に何日かは、自宅に戻ってくる。(BOOK-OUTと言うそう)
一週間分の洗濯物を持って。

母親は、無事に戻ってきた息子の軍服を急いで洗い、
次の招集(BOOK-INというそう)に間に合わせる。
(翌日 、BOOK-INのこともある。)


隊へのの行き帰りは、アーミー服なので、よく見かけるのである。

2年間の最初の数ヶ月は、BASIC TRAINING と言って、 戦闘に耐える体づくりと
実戦想定の訓練、だという。

BASIC TRAINING後は、それぞれ、陸軍、警察、消防等に分かれて、
訓練が続く。

陸軍でも、オフィサーかサージェントかで、訓練が違うそうだ。

また、成績によっては、2年間が2ヶ月短くなる。

学校を卒業したばかりの、十代にとって、
兵役は、辛い。

逃れるために、海を泳いで
(訓練施設は、テコン島にある)
帰ろうとした猛者がいたそうだ。

また、自殺者もでる。

今年も、2月に入隊したなか、1週間で、自殺未遂があったそうだ。

それでも、なんとか乗り切りBASIC TRAINING終了の時には、

ストレイト タイムズ紙より 2007年
ストレイトタイムズ紙より 2012年

こんな光景を見せる。

自分の国を、誰が、どのように、守るのか、
はっきり示している国の、若者は、幸せだ。

全ての男子のうち、体を動かす事が嫌いなものや、
集団生活が苦手なものや、
戦うことじたい想定したくないものは、半分近くいるかもしれない。

訓練の毎日は、訓練とはいえ、
戦わないための戦場で、戦っているのと同じだろう。

そうでなければ、訓練するものも、されるものも、
動機が保てない。

彼らは、シンガポールを守るのは、
自分たちだ、と思っているに違いない。

日本は、軍隊を持たないと決めた。
日本を守るのは、誰なんだろう。



0 件のコメント:

コメントを投稿